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鉱石ラジオって知ってる?2011/05/25 21:49

 今回の未曾有の震災に遭遇して、地震情報、津波情報、交通手段などの情報がどれだけ大切なものか、骨身に染みて分かりました。

 そんなときにとても重宝するのが無電源ラジオなんです。このラジオは、「鉱石ラジオ」とも「ゲルマラジオ」とも言われていますが、そもそも何故このようなラジオが生まれたのか、存在するのか?

 昔々、まだICやトランジスターがなかった頃、ラジオ放送が始まりました。この頃のラジオ放送を聴く手段としては、真空管を使ったラジオが主流でした。

 しかしこの真空管ですが、とても高価で簡単に手に入れることはできませんでした。時代が時代ゆえにラジオ放送は聞きたいのが人情、そこでこのラジオ放送を手軽に聞くために鉱石ラジオが使われました。

 ラジオを聞くためには空中を飛んでいる電波を音声信号として取り出してやる必要があります。このことを検波もしくは検波回路と呼びますが、この検波回路のお仕事として鉱石を用いたものが鉱石ラジオです。


 この鉱石ですが、電気を流してやると、電流を一方向だけ流す不思議な性質が生まれます。これを整流作用と呼びますが、この整流作用がラジオには不可欠なんです。

 その整流作用を持つ鉱石には、方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱、紅亜鉛鉱、閃亜鉛鉱等があります。

 先にも話しましたが、この鉱石ラジオは電気や電池を使いません。完璧なエコラジオです。ラジオ受信用のアンテナから拾った微弱な電波のエネルギーをそのまま利用してイヤホンを鳴らしてくれます。
 この鉱石ラジオの音は何とも言えない安らぎの音を出してくれます。
 今や時代遅れの鉱石ラジオですが、鉱石ラジオを作ったり、聞いたりして楽しみたいと思います。

※基本の回路


アンテナ  : 空中の電波をとらえます。
コイル    : 同調回路(放送周波数を選びます。)
バリコン    : 同調回路(     〃        )
ダイオード : これが鉱石です。(音声信号を取り出します。)
アース     : 余分な電波を逃がします。


※作品の紹介


一号機
スクリューコイル型鉱石ラジオ一号機
スクリューコイル型鉱石ラジオの一号機です。螺旋状のコイルが美しいです。このシンプルで美しいコイルに惹かれて作りました。


二号機
スクリューコイル型鉱石ラジオ二号機
 同じくスクリューコイル型鉱石ラジオです。土台を楕円形にしただけのものですが、このラジオは、寝室のベッド脇に置いてあり、寝しなに聞いています。


三号機
三号機
 これも全く同じスクリューコイル型鉱石ラジオで三台目です。しかしこのラジオは、大きさが違います。
 コイルの直径55φ×長さ180㎜の紙筒に、エナメル線(0.32φ)を約600回~700回巻いた巨大なものです。このくらいの大きいものになると、アンテナとかの工夫次第では、ロシアの長波放送を聞くことができるそうです。 


四号機
ダブルスライダー式ゲルマラジオ四号機
 この四号機は、ダブルスライダー式ゲルマラジオです。基本の回路は全く同じですが、両脇にあるスライダーでコイルの巻き数を増減できる優れものです。

 これを作ったときに、子供の頃に見た、アメリカのテレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」に出てくるロボット「フライデイ」に似てるなぁと一人ご満悦のところ、妻は原子炉みたい(・_・、)ですと(;>_<;)


※参考本

 今回、これらのラジオを作るのに参考にしたのが、「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」でした。出版社は誠文堂新光社です。
「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」


※手作りした他の部品
スクリューコイルボビン
 
美しい螺旋状のコイルは、このボビンにエナメル線を巻いて作ります。ボビンは、アルミホイルやファックスの紙芯を流用して作ります。



※ボビン
ボビンの完成

 エナメル線をひたすら巻いて巻いて作ったものがこの2本です。上が、プラスチック筒を利用、下はファックスの紙筒を利用しました。両端のキャップは、ペットボトルのキャップです。


※鉱石検波風ゲルマニウムダイオード
ゲルマニウムダイオード(IN60)

ラベルを貼って完成

 昔の鉱石検波器は、冒頭に話した方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱などを使っていましたが、やはり感度が悪いのです。そこで次に登場したのが、ゲルマニウムダイオードでした。このダイオードを昔風に鉱石をガラス管に封入したように見せかけたものが、これです。
 FOXTONとラベルをパソコンで作り貼り付けました。このFOXTONは、当時業界を驚かせた先進の鉱石検波器でした。